TOP > 受賞作品 > 第13回 ガールズコミック部門
歴代受賞作品
インフォメーション
応募総数
182作品
最終選考候補
5作品
選考委員
森好正(eb! 取締役)、コミックビーズログ編集部
総評
コミックの新人賞の難しさは、短い枚数のなかで応募作の優劣を判断し、応募者の将来性を見極めることにある。しかし今回の受賞者はそれぞれ長短はあるものの、経験をもう少し積めば十分に連載にまで漕ぎ着けられる才能の持ち主であると思う。精進を重ねてもらいたい。
編集部
ガールズコミック部門向けの作品は、「女性向け」というターゲットが明確な分、女性読者に喜んでもらえるかどうかが重要です。端的に言うと、男子が魅力的に描けているか。これを実は、選考の際に一番重視しています。自分にしか描けない魅力ある男子を世に出したい。そんな熱い想いにあふれた作品を、これからもお待ちしております。
受賞作品
◆特別賞
『SELFISH TRUMP』
★作者:八街 潤(やちまた じゅん)
プロフィール:3月12日生まれ。AB型。千葉県出身。
★受賞者コメント
今までの積み重ねがこのような形で実を結び、とても嬉しく思っています。ここまで支えてくれた家族や友人達に心からの感謝です。初心を忘れずに、これからも頑張っていきたいです。
★作品内容
メルには、記憶がない。道端で倒れていたところを安瀬(あぜ)という親切な青年に拾われ、好意で居候させてもらっている。そんなある日、洗濯物をベランダで干していると、突然空から「やっと見つけた」と、どこか聞き覚えのある声が。声の主は、ロランと名乗り、「おまえは俺の使い魔だ!」と、信じられない事を言い出した。ロランによれば、メルは天上界の住人で、名家の子息であるロランの使い魔だったという。期間限定で共同生活をすることになった三人。しかも、実は安瀬も元天上界の住人だったという衝撃の事実を知ることに! メルが失ってしまった真実とは…!?
【選評】森
描画、ストーリー、セリフ回しともこなれていて高いレベルでバランスがとれている。ただしこの描き手ならではの「におい」のようなものをまだ出し切れていないとも思えた。実力はあるので、ぜひもう一歩、あえて「はみ出した」作品作りにトライしてもらいたい。
【選評】編集部
とにかく男子がかっこいい!のが第一印象です。絵柄は繊細で、丁寧にペン入れや仕上げがされているのに好感を持ちました。ストーリーも、オチに意外性があり、起伏に富んだ構成です。難を言えば、主人公のモノローグが多すぎます。気持ちを言葉だけで表現するのではなく、キャラの表情や画面の効果で現す技術も身につけてください。
◆奨励賞
『しょどう部へようこそ!』
★作者:モリノ
プロフィール:12月7日生まれ。A型。静岡県出身。
★受賞者コメント
このようなステキな小を受賞できたのは家族・友人・この作品に関わってくださった方々のおかげだと思います。まだまだ技術的にはいたらない点も多いですが、少しずつ成長して行きたいです。
★作品内容
この世のものではない「クロイさん」が見える赤也(せきや)は、幼い頃から周囲に拒絶されていた。ある日、学校内でも敬遠されている部活「しょどう部」へ強引に入部させられそうになる。部員はイケメンメガネに不思議系男子、天然(!?)部長の三名。そして、自分と同じ”異質“なものが見える人たちだった。主な活動は、部に代々伝わる筆でクロイさんを保護すること。しかし赤也は、周囲の目を気にして入部を頑なに拒否し続けていた。そんなとき、放課後の公園で部長の「しょどう」姿を見て――。
【選評】森
荒削りな点を指摘すればいろいろとあるが、「マンガ」ならではの勢い、迫力、流れ、というものをきっちりと持っている作品。キャラクターも魅力があり、続きがどうなるのかが素直に気になる。今がマンガ描きとして伸び盛りだと思うので、どんどん筆を動かしてほしい。
【選評】森
雰囲気と味のある絵柄。コマ割や構図のセンスも独特で、目をひきつけられました。ストーリー運びも軽妙で、おかしな部活動に巻き込まれていく主人公のとまどいと心の成長には、爽やかな読後感がありました。一方、描線が荒すぎて、画面が雑に見えてしまっているのが残念なので、丁寧なペン入れや仕上げを心がけてください。