TOP > 受賞作品 > 第12回 ガールズコミック部門
歴代受賞作品
インフォメーション
応募総数
175作品
最終選考候補
6作品
選考委員
森好正(eb! 取締役)、コミックビーズログ編集部
※第12回えんため大賞ガールズコミック部門につきましては、前編集長は選考に参加しておりません。
総評
この部門も回を重ねて来るに従い、よりレベルの高い作品が集まるようになってきた、と感じています。とは言え、キャラクターの魅力だけで乗り切ろうとしている作品が多いというのが気になります。もう少しドラマの構築にも気を配り、読者を笑わせ、泣かせ、共感させることも目指しましょう。
佐藤
新人賞のゴールとはなんでしょう。賞をもらってデビューして終わり、ではありません。単行本を出して、シリーズが売れて(できればアニメ化も!)、漫画家としてできるだけ長く活躍し続けていくことではないでしょうか。この賞も回を追うごとに、その可能性を秘めた方の応募が多くなってきたと感じています。次回もたくさんのご応募をお待ちしております。
受賞作品
◆特別賞
『四月朔日茶館のチョコレイト』
★作者:NICO(にこ)
東京生まれ北海道育ち。大学時代上京、以後はアシスタントをしながら漫画家を目指し活動。稀にイラストの仕事をしています。
★受賞者コメント
支えてくれた方々のおかげです。自分の好きな物を詰め込んだ作品に評価をいただけたのはとても光栄です。よりよい物が描けるよう何を取捨選択するか、これから一つずつ精進していきます。
★作品内容
裏通りに佇む、まったく客が寄り付かない「四月朔日茶館」。そこは、青年オーナーとアンティークに宿る妖精たちのいるアンティークショップだ。ある日、四月朔日茶館に、オーナーが高校時代に憧れていた女性・百舌日和が訪れる。彼女はある一つのアンティークカップを手に取り、「譲って欲しい」と言う。オーナーは逡巡のすえに「そのカップに一番見合うものをこの中から選べたらお譲りしましょう」と日和に提案するのだが――!?
【選評】森
丁寧な書き込み、魅力的なキャラクターでほかの応募作品より明らかにレベルが高かった。ただし、コマ割りにまだまだメリハリが欲しい部分はあるので、そのあたりにぜひ工夫を凝らしてみてください。即戦力として期待しています。
【選評】編集部
丁寧に描き込まれた作画の美しさは見事! 絵を描くことが好きな気持ちが伝わってきます。ですが、主人公の男子については一考の余地あり。ビジュアル的にも性格的にも薄味の印象です。読者が恋するくらい魅力的なキャラ作りをしてください。今後に期待。
◆奨励賞
火守り』
★作者:押月 禄(おしづき・ろく)
作者プロフィール:滋賀県出身。大阪のデザイン系専門学校を卒業。琵琶湖と音楽をこよなく愛する。ミュージックイズマイライフ。コミックイズマイハート。
★受賞者コメント
家族と仲間、友人、ご助言を頂いている方々あっての受賞だと思っています。
★作品内容
「火守り」とは、水を操る特殊能力を持ち、町を火から守る存在。幼い頃、火事で両親を亡くした恵は見習い「火守り」として育つ。ある日、恵は大規模な火事から保護された少女・菖蒲と出会い、一言も言葉を話さない菖蒲に自分を投影してしまう。まもなくして菖蒲は奉公先に引き取られたが、その奉公先で再び火事が起こってしまい――。
【選評】森
絵はまだまだ荒削りであるものの、クライマックスまでの盛り上げ方や、場面転換の旨さなどが光った。そのあたりは教えられて身につくものでもないので、自信を持って良い。今後は、もっともっと量を描き、画力を向上させて早い時期のデビューを果たしてもらえればと思います。
【選評】森
読んでいる人の感情を揺らしたい、という熱意が伝わってくる作品でした。作画は描線が荒くて損をしていますが、細かいところまで手を抜いていない印象。修練次第でかなりよくなるのでは。完成原稿をたくさん仕上げて、実地で学んでいただければと思います。