TOP > 受賞作品 > 第9回 ガールズコミック部門
歴代受賞作品
インフォメーション
応募総数
132作品
最終選考候補
3作品
ガールズコミック部門の最終候補はcomic B's-LOG新人賞の入賞者がノミネートされます。
選考委員
青柳昌行(eb常務取締役)、森好正(ebコンテンツGP)、佐藤康男(B’s-LOG編集部編集長)
総評
青柳
初の女性向けコミック部門をみて、全体的に勢いを感じた。テクニック的にはまだまだ稚拙なところが見えたが、3作品共に描きたいことは、はっきりと見えたことがよかった。これからガールズノベルズ部門と合わせて、エンターブレインの女性向けコンテンツを生み出す舞台として、小説部門・コミック部門とともに発展していって欲しい。
いずれも、まだまだ精進の余地が多々ある。それが主にコマ割りなのか、話しの作り方なのか、テーマの設定なのか、それとも線の引き方なのかは作品によって違うが。まだ時間はある。あせらずに、男性向け・女性向け関係なくよい作品をたくさん読み、その一方で習作を飽きずに描き、勉強していくことを勧めたい。
佐藤
それぞれに長所・短所があった。長所としては、勢いがある作品、描きたいものがはっきりしている作品などが目立った。短所は共通して、設定の練り込みの足らなさと、描きたいことをどう見せていくかという点の力量不足を感じた。作品の見せ方を第一にジャンルにとらわれず勉強していってほしい。
受賞作品
◆佳作
『KIN』
★作者:こまゆ
ロフィール:1981年10月17日生まれ。群馬県在住。2004年竹書房『デラパラ』誌上にて「夏をキレイに」(PN:小繭)でデビュー。鋭意活動中。
★受賞者コメント
まさかまさかえんため大賞でも受賞できるなんて…! これも応援してくれた家族や友達のおかげです。本当にありがとうございました。皆さんの期待に添えるようがんばりたいと思います。
【選評】青柳
なんの話かが1頁目からわかるのは評価できる。非常に作品に入りこみやすい導入部となっている。ただ菌同士の戦いの表現が普通の格闘マンガになってしまっているのが残念。非常に面白そうなテーマが題材となっているだけに、もっと善玉菌と悪玉菌とかの部分を見せるなどよりつっこんでほしかった。
【選評】森
描きたいことを一生懸命に描いているのは買える。また、ラストの決めるシーンをきっちりと描いているというところも好ましい。しかし“菌”という設定……とくにそのビジュアルなど……に関しては、もう少し煮詰めようがあるのではないか。キャラクターデザインも設定の内、ということを忘れないで欲しい。
【選評】編集部
今一歩設定の練り込み、練り込みからの描写がたりない。もったいなかった。女性向けマンガらしく格好いいシーン、格好いいキャラクターはよく描けているのだが、 「格好良くキャラクラーを描く」ところで止まってしまった。そのあたりが描けていれば、優秀賞も望めた。
◆佳作
『歓迎! UMA研究部』
★作者:種十号(たねじゅうごう)
種一号:東京都出身、在住。原作3分の2、仕上げ担当。高校で九号と出会う。情報系の短大へ進学。卒業後、九号と同じ専門学校へ。今年3月卒業、現在実家にパラサイトしつつネタ作り中。
種九号:東京都出身、在住。原作3分の1、作画担当。高校で一号と出会う。デザイン系の短大へ進学。卒業後、一号と共に専門学校へ。今年3月卒業、現在色々模索中。
★受賞者コメント
種一号:連日の様にUMAの事を調べた甲斐がありました。おかげで詳しくなりました。これからも二人で楽しみながら漫画を作っていきたいと思います。本当にありがとうございましたー!
種九号:初めて二人で描いたオリジナルの漫画がこのような賞をいただけて本当に嬉しいし、驚きました! これからも読んでくれた人に少しでも笑ってもらえるような漫画を描けるように精進いたします! ありがとうございました!
【選評】青柳
大きい1本のネタで4コマを16本描いている。最近多いタイプの描き方であり、メガネをかけたキャラクターを中心に様々な特色のあるキャラクターを配置し、4コマの見せ方をよく心得ている。ただ、もう一歩ネタとして効果的に使う域まで達していない。これからどんどん描いていけば、どんどん巧くなっていくように思う。
【選評】森
4コマは女性読者からみても激戦区。その中で生き残るためには相当なハードルがある。 その点、線の荒さ、キャラクターの立て方、ネタの振り方など、まだまだ足りないところが多い。が、勢いはよい。その勢いを殺さずに、鍛練を積んで欲しい。
【選評】編集部
キャラクターをみせようと、一気に描いた勢いは評価できる。ただキャラクターの活かし方、ネタのオチの部分含め、作品がまだまだ若い。プラスアルファを練り込むことを期待。そして絵のクオリティに関しては、もっと描き慣れてもらいたい。構図などに関しては評価できる。
◆奨励賞
『Song Idiot』
★作者:たちばなのい
プロフィール:1985年10月16日生まれ。名古屋出身。
★受賞者コメント
まさかえんため大賞でも賞をいただけるとは思ってもいませんでしたのでお電話をいただいた時は大変驚きました。初めて描いた漫画ですので思い入れも強くとても嬉しいです、ありがとうございます。これから色々勉強しつつ少しでも皆様に楽しんでもらえるような漫画を描いていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
【選評】青柳
1頁目をみて話のオチがわかってしまう。そこがちょっと評価を下げる。マンガを読ませるテクニックの部分はこれから勉強してほしい。勢いで一気に読ませる作品になっている。その長所は残しつつ、更なる精進をしてほしい。
【選評】森
コマ運びが拙い。たとえば1頁目のコマ割りは順番が逆ではないだろうか。また、絵の「雰囲気」はあるものの、結局なにを描きたかったのかわからなかった。ネームの段階でもっと練り込んでみてもらいたい。
【選評】編集部
作品自体若い。その経験のなさ、テクニックの未熟な部分がでているように感じられる。カッコイイ構図、カッコイイキャラクター達をみせていくことでマンガを描こうとしているが、果たして面白いマンガになっていたか? そこに無理を感じる。テーマの見せ方・コマ割りを勉強して、成長することに期待したい。